名古屋コーチンの歴史
  • 純系名古屋コーチンの歴史
  • 純系名古屋コーチンとは
  • 純系名古屋コーチンの味と特徴
  • 比較データ
ブロイラーとの比較情報 純系名古屋コーチンとブロイラーとの比較データ
肥育専用の鶏であるブロイラーは50日間ほどの短期間で出荷されていますが、名古屋コーチンの出荷日齢はおおむね120~130日です。長期間飼育されるため、名古屋コーチンの肉はこくのある旨みと、締まった歯ごたえが増し、ブロイラー鶏肉にはない奥深い味わいが感じられます。
純系名古屋コーチンと他の地鶏の比較データ
ほとんどの地鶏が在来種と肥育専用の外国鶏と交配させた交雑鶏であり、また血液比率が50%以上であればよいというのが地鶏の定義です。
その中では、名古屋コーチンは特別の存在といえます。名古屋コーチンは他の鶏と交配させることなく、純血のままを保っていることから、昔ながらの地鶏の味を存分に堪能できるのです。
純系名古屋コーチンと他の名古屋コーチンとの比較データ
純系名古屋コーチンの飼育産地は、愛知県内及び愛知県境だけです。しかし、名古屋コーチンは愛知県外産(岐阜、三重、千葉、茨城、静岡など)も多く、知らずに食されていることが多いのです。
また、純系名古屋コーチンは、言うまでもなく名古屋コーチン100%。他の名古屋コーチンは血液比率が50%以上つまり、片親だけが名古屋コーチンというケースも多く、純系名古屋コーチンこそ、名古屋コーチンの正統なのです。

名古屋コーチンライブラリー
あいちの地場産業
愛知の地場産業
https://www.okashin.co.jp/local/jiba/pdf/pdf_animal_husbandry.pdf
岡崎信用金庫さんが愛知の地場産業をわかりやすく、詳しく解説してくれています。 名古屋コーチンについても詳しく掲載されています。
名古屋コーチン協会ホームページ
名古屋コーチン協会ホームページ
http://nagoya-cochin.jp/01_outline/index.html
当組合も所属する一般社団法人 名古屋コーチン協会の公式ホームページです。名古屋コーチンの歴史や名古屋コーチン入手可能なお店などが詳しく掲載されています。
東海農政局純系名古屋コーチン情報ページ
東海農政局純系名古屋コーチン情報ページ
http://www.maff.go.jp/tokai/seisan/chikusan/b_nagoya.html
東海農政局の純系名古屋コーチンに関する情報ページです。純系名古屋コーチンの信頼できる情報を多数掲載しています。
名古屋めし
名古屋めし
http://www.nagoya-info.jp/gourmet/nagoyakochin.html
公益財団法人 名古屋観光コンベンションビューローが運営する名古屋の情報サイトです。名古屋コーチンを食べることができる有名店を多数紹介しています。名古屋コーチン以外にも今話題の「名古屋めし」の情報がご覧いただけます。
名古屋コーチン資料室
名古屋コーチン資料室
http://www.city.nagoya.jp/ryokuseidoboku/page/0000044283.html
名古屋コーチン資料室では、名古屋コーチンの歴史や能力などを紹介しています。
また、明治時代の養鶏資料である次の2点もご覧いただけます。
海部壮平氏による「養鶏方案」の複写と現代語訳、落合茂三郎氏による「飼鶏要書」の複写と現代語訳などがご覧いただけます。

出典 ※加工して作成しています。
東海農政局ホームページ 純系名古屋コーチン
http://www.maff.go.jp/tokai/seisan/chikusan/b_nagoya.html

銘柄名:純系名古屋(じゅんけいなごや)コーチン

銘柄に係る事項

項目 定義制限※ 具体的な内容
品種による制限 名古屋種(在来種)
格付による制限 -  
飼育日数(期間) 120(雄)〜150(雌)日齢
出荷体重 2.5kg(雄)、2.0kg(雌)
餌の制限(必須・禁止等) 専用の飼料
生産地域の制限 名古屋市周辺
と畜・市場の制限 県内食鳥センター
飼養制限 平飼い
その他項目 愛知県畜産総合センター供給種鶏生産ヒナ
出荷頭数   60万羽/年
主な出荷先(地域)   愛知、東京、大阪など
※◯ = 定義として制限されているもの、- = 定義として制限されていないもの

銘柄の特徴

歴史 名古屋コーチン(品種名:名古屋種)は、明治初期に維新によって職を失った元尾張藩士海部兄弟が新たな職として養鶏業に取り組む中で生み出されたとされています。
それまで体が小さく産卵数も少なかった名古屋在来の地鶏に、中国から輸入されたバフコーチンを交配、卵肉兼用種として改良し、明治38年に「名古屋コーチン」として品種登録され、大正8年に「名古屋種」に改名され現在に至っています。
この時代は闘鶏や愛玩用に鶏を飼う人はありましたが、肉や卵生産のための養鶏はほとんどなく、現在の日本養鶏の歴史は名古屋コーチンとともに始まったと言っても過言ではありません。

戦後、食糧増産のため、アメリカから成長・増体の早い白色レグホーンやブロイラー種の普及が進んだため、飼養羽数が激減し、絶滅の危機に追いやられました。しかしわずかに残った純血種をもとに繁殖させ、近年の地鶏ブームにより脚光を浴びています。

余談ですが、白色レグホーンが入ってくるまで鶏卵の殻は色付きが常識で、白い殻の 卵が出回り始めた頃は違和感があり売れ行きは悪かったようです。

特徴 羽装は美しくいわゆるバフ色(赤褐色)をしており精悍な体つき、足は鉛色をしています。じっくり時間をかけ、平飼いにより運動をともなう飼育を行っていますので肉食は赤みを帯び、適度にしまった歯ごたえと、コクのある旨味が特徴です。ブロイラーに比べ 脂肪が少なく、ミネラルが多く含まれています。 純系名古屋コーチン 名古屋コーチンの中でも、愛知県畜産総合センター種鶏場から供給された種鶏を名古 屋コーチン普及協会の会員が名古屋市周辺で生産したものにのみ「純系名古屋コーチン の名が与えられています。 名古屋コーチンの卵 最近は名古屋コーチンの卵も多く流通しています。通常出回っている卵と比べるとサイズはやや小振りで白玉や赤玉とまた違う「桜色」の殻色をしています。味は濃厚で卵黄の色は濃く舌触りは滑らかで「コク」があり、生食に適しています。産卵数は1羽あたり年間200個ぐらいです。 地鶏としての名古屋コーチン 名古屋コーチンは全国的な知名度が高く、地鶏の代名詞にもなっています。また知名 度もさることながら、純粋な在来種()の血液が100%として、ほかの地鶏とは一線を画して います。まさに地鶏の中の地鶏と言えます。 ※在来種…明治時代までに日本に成立・定着した鶏(参考参照) コーチンの由来 名古屋コーチンの「コーチン」は、名古屋コーチンの基となった「バフコーチン」(バフは色、つまりバフ色のコーチンという意味)からきています。
コーチンは脚の羽毛が特徴の中国原産の鶏で、当初「上海(シャンハイ)」という品種名でしたが、鶏発祥の地に近いインドシナ半島南部(現 ベトナムあたり)の旧地名「Cochin China(交趾支那・コーチシナ)」からとった「コーチン」が発音しやすいことなどから名前として定着したと言われています。

(参考)鶏の区分別の定義

在来鷄 明治時代までに日本に成立・定着した鶏のことで、

会津地鶏、伊勢地鶏、岩手地鶏、インギー地鶏、烏骨鶏(うこっけい)、鶉矮鶏(うずらちゃぼ)、ウタイチャーン、エーコク、横斑プリマスロック、沖縄髭地鶏(おきなわひげじどり)、尾長鶏、河内奴鶏(かわちやっこどり)、雁鶏、岐阜地鶏、熊本種、九漣子鶏(くれこどり)、黒柏鶏、コーチン、声良鶏(こえよしどり)、薩摩鶏、佐渡髭地鶏、地頭鶏(じとうけい)、芝鶏、軍鶏(しゃも)、小国鶏(しょうこくどり)、矮鶏(ちゃぼ)、東天紅鶏(とうてんこうどり)、蜀鶏(とうまる)、土佐九斤(と さ くきん)、土佐地鶏、対馬地鶏、名古屋種、比内鶏(ひないどり)、三河種、蓑曳矮鶏(みのひきちゃぼ)、蓑曳鶏(みのひきどり)、宮地鶏、ロードアイランドレッド

以上の38品種があります。これらの鶏の遺伝子を利用して地鶏の多くが作られています。

地鶏 以下の条件を満たすものを特に特定JASに基づく地鶏としています。
在来種の血液率(遺伝子割合)が50%以上。 (複数種の組み合わせでも構わない)
ふ化日から80日以上飼育していること。
28日齢以降平飼いで飼育していること。
28日齢以降1㎡あたり10羽以下で飼育していること。
東海地域では、奥美濃古地鶏(おくみのこじどり)や名古屋コーチンが基準をクリアしていますが、名古屋コーチンは元々全国的に知名度が高い事などから、特定JASには登録していません。

  国産銘柄鷄 現在、国内でいろいろな名称を付して流通している特別な鶏肉を総称して「国産銘柄鶏」としています。
銘柄鷄 ひなは若どりのひなそのものを用いますが、飼料、飼育方法、飼育日齢に工夫を加えたもの(通常のブロイラーよりも手間暇をかけたもの)で名称をつけ、一般のものと区別して流通しています。